New Orleans Jazzfest, May 6 #4

ジャズフェスが終わってしまった喪失感と疲労感に加え、ショーティくんのライブが素晴らしくて余韻に浸りたい気持ちもあり、今夜はライブ行かないでおとなしくしてようかなーとも一瞬考えたんですが、部屋に籠って静かに過ごすのは寂しすぎる気もしたのでとりあえずスケジュールをチェック。Howlin’ WolfでのPapa Mali’s Birthday Bash(Sam Price & The True Believers他多数出演)、Rock’n’BowlでのTab Benoit & Sonny Landreth、Circle BarでのJohn Mooneyの3つで贅沢に迷った結果、いちばん静かにまったり観られそうなJohn Mooneyに決定。

 

お店はCircle Barといって、Lee Circle上にある小さなバーです。ていうかリー将軍の像、本当になくなってた…。
そしてジョンムーニーさん、CDは何枚か持っているけど生で観るのは初めて。もちろん嫌いじゃないけど(ていうか好きだから行ったんですけど)、正直そこまで思い入れがあるってわけでもなかったんですね。ところが実際に観たらめっちゃかっこいい!! ええー、こんなにいいならもっと前から観とけばよかった!と。ニューオリンズのミュージシャンは、CDで聴いていいな~と思ってた(逆に言えばある意味その程度だった)人が実際に観るとめちゃくちゃ良くてびっくりする、ということが結構あるので油断も隙もないのですが、今回もまさにそんな感じ。こんな素晴らしいライブを、こんな小さなバーで嘘みたいなチャージ(確か10ドルとかそんなん)で超至近距離で観ちゃっていいのか?!と。ありがたや…。

f:id:crescentagency:20180606154111j:plain

こんな近くで座って演奏楽しめるなんて贅沢すぎる…。

 

そして観ていて途中で気づいたんですが、ドラムがね…なんかすごいんですよ。
私は「タイコの数は少なければ少ないほどいい原理主義」っぽいところがあって、たとえばファンクドラマーのくせに2タムとか甘えてんじゃねぇ!などと思ってしまうんですが(偉そうでほんっとすみません)、このドラマーさんのセット、ステージ狭いのもあるんだろうけどバス・スネア・ハイハット・シンバル各1しかない(フロア含め、タムすらない)…!!! ひれ伏したくなる究極のミニマムセット。なのに数の少なさをまったく感じさせない豊かなサウンドでめちゃくちゃ上手いと、まさにどストライク。ブルースってそんなにドラムが目立つ音楽じゃないと思うんだけど、「あー、ドラムすごくいいなぁ……え、えっ、なにこのセット!!?(驚愕)」って感じで。もうね、ドラマーの鑑ですよ(私基準ですが)。
しかし誰だこの人。見た感じ若手ではない。このくらいの年齢で主要なニューオリンズドラマーさんはひととおり知ってるつもりなので、ジョンムーニーさんとはいえ小さい会場だし、そんな有名じゃないのかな…でも絶対ただ者じゃないよなぁ。こんなすごい人を見落としてたとは私もまだまだだな!とか考えながら、もっとちゃんと聴いてみたかったので参加作品など調べようと思い終演後にお声をかけさせていただきました。

 

えーっとですね、Doug Beloteさんでした。土下座…。
まったく気まずいったらないですよ。「ドラム素晴らしいですね」って当たり前じゃないかよ! 「そんな有名じゃないのかな」ってなに失礼なこと考えてんだよ! バカバカ!!って感じです。
単に顔と名前が一致してなかっただけで、過去に何度か来日公演観ているし参加作品もたくさん持ってる(でもソロアルバム持ってなかった。土下座)。ていうか、もはやニューオリンズの枠を超えてる売れっ子ドラマーさんじゃないですか。
私が動揺して「うわぁぁ気づかなくてごめんなさい! めっちゃ知ってました!」ってなってると「あー、昔は髪短かったから気づかなかったかな」と微笑んでらっしゃいました。多分そういう問題じゃないんだけど、ええ人や…心が痛い。
しかも、「本当は今日はRaymond Weberが来るはずだったのが来れなくなっちゃって、近所に住んでるから30分くらい前に電話もらって急遽来た」って…ちょっと待って、それであの演奏ですか。なにそれ。ていうかレイモンド、ドタキャンかい(笑)。
後でわかったんですが、ダグさんはJohn Mooneyの新譜にも参加されてました。それで特にリハとか必要なかったのかもしれないけど、それにしたって、ねぇ。

f:id:crescentagency:20180606154344j:plain

極限までにシンプルなセットでの素晴らしい演奏。ドラマーの鑑です。


私は日本のCHABOさんやエレカシも大好きなので、何十年も一緒にやってるメンバーであっても、毎回びっくりするほど長時間リハーサルを重ねて突き詰めていく彼らのやり方もとても尊敬しています。とはいえ今回に限らずニューオリンズの方々の途方もない瞬発力みたいなのにはやはり価値観を揺さぶられてしまいます…。
とりあえず、ダグさんには向こう数日のライブスケジュールを教えていただいたので、滞在中もう一度観に行くことにしました。

 

…ああ、やっぱりニューオリンズは楽しい。
実は今回、もう何度も来てるし、ジャズフェス終わったら1泊2日くらいでメンフィスかナッシュビルでも行こうかな〜なんて少し思ってたんだけど、やっぱりニューオリンズ好きすぎて帰国まで一歩も街から出たくない!となってしまいました。浮気心起こしてごめんなさい、と。
そんなわけでまだもう少し、楽しい旅は続くのです。